Lead the Self

自分自身をリードする(Lead the Self)ために

変化する組織の形。ティール組織ってなんだ?

 

ティール組織

数年前からよく聞く言葉だ。

 

なんだそれは?

答えられる人は少ないかもしれない

 

ティール組織とは、今までの組織とは全く違う形の組織。

進化型組織とも言われている。

 

そもそも今までの組織の形とはどういったものがあるのだろうか?

 

組織の形は常に変化してきた。

その変化の過程で長所もあれば短所もある

時代によって、または組織の成熟度によってその長所を生かし、短所を補おうと次の組織の形が表れて移行する。

今日は組織の成り立ち方をまとめてみた 

レッド(衝動型)組織

まずは、最初はレッド(衝動型)組織と言われる組織。

小規模で支配的、暴力と恐怖によるコントロールする。

マフィアやギャングがこの組織にあたる。

トップとトップ以外という構成で出来ている。

正式な階層や役割がない(仕組化できない)ので組織の大きさには限界がある。

レッド(衝動型)組織のトップは、成果に興味があるが、成果に至るプロセスには興味がない

ある意味、超生産性の高い組織と言えるかもしれない。

アンバー(順応型)組織

次にアンバー組織

レッド(衝動型)組織からだいぶ進化。

不変の法則に基づいた役割主義的な組織だ。
ルールと権威でコントロールしており、軍隊や国家機関がこの組織にあたる。
レッド(衝動型)組織と違い、大きな組織運営が可能になり、権力が安定するようになった。
知識や経験を組織として取り入れ、プロセス化することによって長期的な視点で将来の予測や計画ができるようになった
レッド組織の場合だと、過去の経験を未来に再現できないという問題もありましたが、アンバー組織ならそれもクリアできるようになりました。


アンバー組織では、決まったルールのもと、組織メンバーの役割が固定化される
自分の役割がはっきりすることで組織への所属意識が高まるというメリットがある。

だが、一方で個人的な感情や適性よりも組織の役割に応えるほうが重要な一面がある

オレンジ(達成型)組織

組織は大きな機械とみなされる。

人間は歯車のように扱われる。

リーダーが作った設計図通り物事が進むことが重要。
利益を追求し、拡大し続けるグローバル企業がイメージしやすい
オレンジ組織の特徴
・組織のメンバーを統制するための目標管理やボーナス制度など科学的なマネジメントの仕組み
・結果を出せば誰もが組織の階段を上がり、権利を持てる実力主義

オレンジ組織によって自由と繁栄が生まれたが利益を追求しすぎた結果、地球環境に悪影響をもたらしたり、人生の成功基準がお金と名誉に限定されてしまうという負の側面もある

グリーン(多元型)組織

 人間の感情に敏感で多様性、平等性、対話を重んじる組織。
グリーンの特徴
・組織の階層は残るものの意思決定は現場に権限移譲され、リーダーの主な役割は後方支援
・組織の最前線のメンバーが正しく意思決定できる判断ベースとなる組織文化と共通の価値観があること
・幅広いステークホルダーへの価値貢献が重要視される
全員参加による対話を求めているが、組織がピラミッド構造のままでは対話が難しかったり、全ての物事を全員参加の対話と合意で進めるには現実的には難しいという矛盾を生じる

ティール(進化型)組織

そして最後にティール組織

ティール組織は新しい世界観を持った組織形態と言われている。
組織に所属するメンバーは自然体で働き、組織の存在目的や個人の内発的動機が重視される
役割としての意思決定者はいても固定的ではなく、意思決定は必要に応じてその場で行われれる。メンバーは個人の特性や興味に応じてそれぞれの役割を果たし、全体として調和を果たすため、組織自体が一つの生命体や自然界に例えられる

生命体である組織は日々成長し、その存在目的自体も日々進化する
ティール組織において役割やポジションを用意するとそれらに縛られてしまい、本来その人がもっている価値が発揮されなくなってしまう。

メンバーは自分をさらけだし、自分がもつ価値のすべてを発揮し貢献することが期待されている。これをホールネスという

メンバー全員がお互いの信頼に基づいて仕事を行えるセルフマネジメントを行える環境が必須
まだ生まれたばかりで社会にどのように受け入れられていくかは未知数な組織

ティール組織を実現しているであろう組織

ティール組織を実践しているとみなされる企業は、企業理念の実現を模索した結果、ティール組織になっていたという場合がほとんど。

つまり最初からティール組織を目指していたわけではない。


事例:パタゴニア
売り上げ予測に基づくものではなく、自社の存在目的の追求した結果こうなった
カルフォルニアのオフィスでは、子連れ出勤ができる
従業員は子供が職場にいることで普段の自分をさらけ出すことになる。これが、個々人各自の価値を発揮するというホールネスの実践に役立っている
自分の仕事の責任が果たせるのなら時間や場所は関係ない。
責任感・効率のアップ・周りとの協調性を養う。こうしたセルフマネジメントの実践を行うことによって多様な社員の採用、ホールネスの実践にも役立っている

 

まとめ

ティール組織を作ることを目標にしてはいけないと思う。

時には、グリーン型組織、時にはオレンジ、時にはアンバーでも良いと思う。

レッド組織は、暴力と恐怖の支配によってコントロールされる組織なので推奨は出来ないが、確かにこんな組織はありそうだ。

 

どれが正解で不正解とかではなく、組織の目的に合わせて変化していくべきだ。

だから、組織の形を時代や組織の成熟度具合で変化させることが必要。

一番大事なのは、そういう組織を作ることではなく、ステークホルダーへの価値提供と理念(企業としてありたい姿)とは何かを考えていく中で変化させていくことなのだと思う。